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新たな人事課題 LGBTへの対応(前編)

8.9%

この数値は、国内における
LGBTに該当する人の割合を示します。
※電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2018」より

「LGBT」という言葉の浸透率は
7割ほどとの調査結果が出ている通り、
言葉としての認知度は低くはありませんが、

身近な存在であるとの認識は、
まだまだ高くはないのが現状です。

しかし、左利きの人や、AB型の人の割合と、
同じくらいであることを考えると、

社内でも
「LGBT社員は居ない」のではなく、
「カミングアウトをしているLGBT社員がいない」
だけであるのかもしれません。

ここ数年で、
経営課題としてのトピックに
LGBT社員への対応について
取り上げられることが増えてきましたが

前提となる基本的な知識について、
まとめていきたいと思います。

LGBTとは

                ※法務省 人権擁護局「多様な性について考えよう!」より

LGBTとは、
性的指向に分類される
・L(レズビアン)
・G(ゲイ)
・B(バイセクシャル)

     ※法務省 人権擁護局「多様な性について考えよう!」より

性自認と肉体上の性別が、
一致せずに違和感を抱いている
・T(トランスジェンダー)

性的少数者 (セクシャルマイノリティ) のうち、
上記の代表的な4つのタイプの頭文字を合わせた略語です。

なお、セクシャルマイノリティの多様なあり方は
LGBTという4つのタイプに尽きるものではなく、

・I(インターセックス):
 典型的な女性型、男性型から
 先天的に逸脱した身体的特徴を持つ
・Q(クエスチョニング):
 性自認や性的指向にとらわれないあり方
・A(アセクシュアル):
 誰に対しても恋愛感情や性的欲求を抱かない人
・+(プラス):
 名前のついていない性や、それ以外の性を表す

上記の表記などを加え使用される機会も増えています。

しかし大切なことは、
むやみに分類名を増やすことではなく、
一人ひとり違いがあるという現実を
認識することだと感じています。

性的指向+性自認=SOGI

LGBTを語る前に、
SOGIという言葉があります。

前項で登場した、
どのような性別を好きになるかを表す
「性的指向(Sexual Orientation)」

自分の性をどのように認識しているかを表す
「性自認(Gender Identity)」

それぞれのアルファベットの頭文字を取った
すべての人が持っている属性を表す略称です。

LGBTは主体である「誰」を示しますが、
SOGIは属性や特徴といった「何」を表しているか
という違いになります。

例えば、
「女性差別」と「性別に基づく差別」
「黒人差別」と「人種に基づく差別」

前者が「誰」を表しているかに対して、
後者は「何」を表す概念です。

「LGBTの人たちを守ろう」ということではなく、
「LGBTを含むSOGIという属性や特徴の違いにかかわらず、
 全ての人を平等に扱おう」
という文脈でSOGIは使われています。

世界と日本

同性愛に対する寛容度が高いことで知られる
北欧スウェーデンでは、
紆余曲折を得ながらも意識改革が進められ、

国のいたるところに
レインボーフラックが掲げられていたり、
幼少期から国がカリキュラムを組んだ
教育を行ったりするなど、

経済低迷と高齢化が進む中での成長戦略として
取り組みが行われています。

一方日本では、
男女雇用機会均等法に基づく
セクシュアル・ハラスメント防止指針が改正され、
セクシュアル・ハラスメントの対象は
SOGIに関わらない旨が明記されたものの、

具体的な法整備はなかなか進まず、
国際機関から注意勧告を受け続けている状態であり、
諸外国と比べると発展途上であると言わざるを得ません。

そのような中でも、各自治体では、
取引先について差別禁止を明示的に求めていたり、
(東京都、世田谷区など)

同性カップルにパートナーとして
証明書を発行したりするなどの条例が成立しています。
(渋谷区など)

東京都オリンピック憲章では、
人権尊重の理念の実現を目指す条例の中で
性自認や性的指向を理由とする
不当な差別的取り扱いの禁止がうたわれています。

産業界では、経団連や連合で
適切な理解を促す取り組みが示されるなど、
それぞれに取り組みが進められており、
各方面から差別や偏見に対する運動が起きています。

(後半へつづく)